これ以降の説明は、全部を理解しなくても日経225オプション取引をすることは可能です、その点ご安心ください。一応「オプションとは何か」についてご説明しております。
目次
各トレード対象の違い
現物株取引について
500円の値段がついているものを500円だして購入する、現株購入も同じです。500円の価値のものを500円で購入するという、シンプルなものです。
信用取引について
1500円のものを買いたいけど500円しか持っていない、その時に500円を担保にして1500円借ります。そして借りた1500円で1500円のものを購入するイメージです。
お金を借りるか借りないかの違いで、ある価値のものを同じ金額を出して購入する点では現株購入も信用取引も同じです
先物取引について
あるものを購入して値上がりしてそれを売却して利益を得るとします。売買の差額としての利益が目的であるなら、最初から差額のみを扱うほうが少ない金額で取引可能です。これが先物取引の考え方です。
全体を扱うのか、差額を扱うのかの違いはありますが、そのもの自体を扱うという点では現株、信用取引と同じです。
先物取引についてはいろいろな定義があります
オプション取引について
利益追求の手段をつきつめると、もはや現物を購入したり差額のみを取引することすら不要じゃないの?ということになります。つまり現物(差額を含めた)を売買する代わりに、買ったことにして(売ったことにして)取引をしようということになります。
本物の株式を実際に購入する代わりに、購入する契約だけする(実際には購入しない)
本物の株式を実際に売却する代わりに、売却する契約だけする(実際には売却しない)
そして、この契約が独り歩きをして、実際の現物をやり取りするのではなく、契約自体をやり取りするようになります。これをオプション取引です。
現物(先額を含めた)を扱うのではなく、契約を扱うという点でオプション取引は他の取引を一線を画しています。
日経225オプションとは何か?
日経225にオプションをあてはめると
オプション取引とは契約を扱うと話をしましたが、例えばお金を借りる金銭消費貸借契約の場合だと
- 何を(現金)
- いくら(例えば100万円を)
- どうするのか(借りる)
- いつまでに返すのか(来年の1月31日に)
が決まっていないと契約として成立しません。日経225オプションの場合も同じです。
- 何を(日経225を)
- いくらで(日経平均35,000円で)
- どうするのか(買う or 売る)
- いつまでに(権利行使期間)
用語解説
コールとプット
通常の商品の売買契約を考えてみます。代金の受け払いが終われば、買い手は商品を受け取る権利を獲得しますし、売り手は商品を引き渡す義務が発生します。
このように受け取る権利(購入する権利)のことをコールといいます。逆に引き渡す権利(販売する権利)のことをプットといいます
コールとプットについてはわかりにくい点もありますので、別の記事で説明したいと思います。
権利行使価格
さきほど、日経平均を買う(売る)権利というお話をしましたが、「日経平均を買う」といっても漠然としています。日経平均ならなんでもいいわけではなく、いくらの日経平均を買うかを取り決めます。
このいくらか、のことを権利行使価格と呼びます。
権利行使期間
お金の貸し借りのときもそうですが、「いつ」返すのか、「いつまでに」返すのかを決めますよね。いつ返してもいいでは契約として成立しません。
日経225オプション取引も同じことがいえます。「日経平均を買う」権利といっても、永遠にいつでも買える権利ではなく、買うことができる期間が決まっています。
実務上は、権利行使最終日の次の日に清算するためだけの日(投資家は取引することができない)を設けています。この清算するためだけの日をSQ日とよんでいます。
そのような期間のことを権利行使期間とよび、権利行使ができる最終日を権利行使最終日とよびます。
日経225オプション取引とは何なのか
ここまでをまとめますと、例えば
何を(日経平均を)
いくらで(33,500円で)
いつまでに(2023年7月14日までに)←一例
どうするのか(買う権利を)←一例
売り買いするのが日経225オプション取引というものです。
まとめ
日経225オプション取引というのは「契約」の売買です。この点で、株式そのものを扱う現株取引や信用取引、差額だけを扱う先物取引とは一線を画す大きな違いです。この違いのためにオプション取引は、通常の取引にない大きな特徴がありますが、それはまた別の記事で書きたいと思います。
先に書きましたが「オプションとは何か」を全く知らなくてもトレードは可能です。その点はご心配には及びません。ただ、売り買いしている対象がどういうものかわからないのに取引できないという意見は正しいと思いますので、できるだけイメージがわくようにこれからも書いていこうと思います。