2023年7月10日現在の私の個人的な感想となります。
2023年5月29日(月)より、サイズを従来の10分の1にした「日経225ミニオプション」がスタートしました。
私は上場日初日より「日経225ミニオプション」をトレードして約1か月半が経過しました。
従来の「日経225オプション」との比較や、実際のトレードで使えるのかなど、個人的感想をまとめようと思います。
目次
日経225ミニオプションとは何か?
従来の日経225オプションとの違いは
大まかにいってしまうと「従来のサイズが10分の1になったもの」です。必要とされる証拠金額や、株価が変動した時の損益の動きも、すべて従来の日経225オプションの10分の1です。取引時間や取引最終日については従来の日経225オプションと全く同じです。
そのほかも違いがありますが、詳しくは日本取引所グループの日経225ミニオプションの商品概要や制度概要をご覧ください。
具体的なサイズ感は?
人によってどれくらいのレバレッジで、どれくらいのポジションをもって、どれくらいの利益を狙うのかは千差万別です。以下はあくまで私の一応の基準としているところですが、通常の日経225オプションの場合ですと
- 必要最低限の資金は100万円
- 100万円でポジションのセットを1つ持てる
- 目指す利益は月利5~10%
サイズが10分の1ということを考えると、日経225ミニオプションとは
- 必要な資金は最低10万円
- 10万円あたりポジションを1つもつ
- 目標とする利益は月利5~10%(10万円だと5千円~1万円)
というのが、日経225ミニオプションといえるかと思います。
日経225ミニオプションの強み
損失が小さくてすむ
まあ、当たり前ですね(笑) 先に書いたように、おおよそ10万円からミニオプションがトレードできますので大きな損失にならなくてすみます
ポジションの調整が楽
例えば、急落に備えてプットを買おうという場合、例えば通常の32,500円プットが200円(20万円)だった場合、今までは1枚買うか買わないかの選択肢しかなかったものが、通常の32,500円プットを0.3枚(=32,500円ミニプットを3枚)購入することが可能となります。
ミニオプションの弱点
あくまでこの記事を書いている段階(2023年7月10日現在)ですが、通常のオプションと比較して以下のような欠点があると思います。
OTMの板が薄すぎる
OTM(out of the money 原資産の価格から離れているところ)の板が、通常オプションと比べて薄すぎます。
2023年7月10日、原資産が32,300円近辺。SQまで1週間を切っているので若干ブレがありますが
左側の通常のオプションは価格帯に沿って売り買いの枚数がほぼ満遍なくありますが、右側の通常オプションの場合は価格帯がスカスカ。100枚とか200枚というのは、どこかの証券会社がマーケットメイクとして売り買いを出しているだけ(約定させる気はほとんどない)ため、実質的に売り買いの意思のある板は1枚とか2枚だけ。
次月以降の板が薄すぎる
2023年7月10日というと、SQ日まで一週間を切っており、そろそろ次の8月限のトレードがしたいところ
左の通常オプションは、価格帯も売り買いの枚数もほぼ満遍なく出ていますが、右のミニオプションは160円の買い2枚と140円の買い1枚、あとは約定すれば儲けものみたいな、捨て板のみ
次月の35,000コールです。原資産が32,300円ですので、裸売りで売りたい権利行使価格ですが、ミニオプションの場合は板がほとんどありません。成行で注文だしたらどうなることやら(笑)
現状の、ミニオプションの弱点としては
1.ATM(at the money 原資産近辺の権利行使価格)以外の離れたところは板が薄くて約定させにくい
2.当月以外は板が薄い
この2点は念頭に置いておく必要があると思います。
通常のオプションが向いている人
100万円程度の金額が自由に動かせる人
通常のオプションをやるなら、ある程度の余裕等をみて100万円程度を最初に投資できる必要があると思います。それ以下でもトレードは可能ですが、窮屈なトレードになります。このくらいの金額を用意できるのであれば、板の薄いミニオプションでトレードする必要性はないと思います。
オプションの値動きについてある程度知識のある人
オプションの値動きは、いわゆる個別株や先物と異なり、独特の動きをします。ある程度オプションの値動きや特性について知識があるなら、通常のオプションで問題ないと思います。
ミニオプションが向いている人
オプションの知識が乏しい人
ミニオプションですと、思惑と逆に動いても大した損失にはなりません。オプションがどんなものか確認するには、実際にトレードをやってみるのがいいと以前から思っていました。今までは最低100万円程度用意しないとトレードできませんでしたが、ミニオプションができてそのハードルがかなり下がりました。まず単純な売りポジションをもって、オプションで儲ける(損をする)というのがどういうパターンなのか体験してもらいたいと思います。
ミニオプションをする注意点
ぜひ皆さんにオプションを体験してもらいたいのですが、注意点として
成行注文、ダメ絶対
板がスカスカ過ぎて、トンデモナイ値段がついていることが多々あります。現状非常に面倒なのですが、通常オプションの板で妥当な値段を確認の上で、指値で注文を出すようにしてください
(これがめちゃくちゃめんどくさい・・・・・・)