八百屋さんの例
お店で野菜を購入します
例えば、八百屋さんで大根が一本180円で売っているとします。大根1本180円でいくらでも購入できます。そのすぐ横で、大根1本250円で購入できるチケットを売っているとしましょう。
あなたはこのチケットを買いますか、買いませんか?
買わないと思う人が普通だと思います。だって八百屋さんのお店で一本180円でいくらでも購入できます。それより高い250円で購入できるチケットなんて、タダでもいらないと思うのが普通の感覚だと思います。でも、右端の女性はなんだかチケットに興味があるような・・・それでは時間を進めてみようと思います。
野菜が値上がり
夏の異常気象で野菜の値段が高騰したようです。大根が値上がりして、一本280円になったようです。買い物に来た人は全員280円で購入しなければいけません。しかし、さっきのチケットをもっていた女性は、そのチケットを出すことで250円で大根を購入することができました。
ここで大事な点ですが、大根が180円の時はこのチケットは全くの無価値だと思っていました。ところが、大根が280円になったとき、このチケットを持っていると250円で購入できるのです。ということは、このチケットには価値があるということになります。
いつ価値がうまれたのか?
大根が280円になったとき、チケットをもっていることで大根が250円で購入できました。ということは、このチケットには価値があるということになります。では、この価値はいつ生まれたのでしょうか。大根が280円になった瞬間に価値がでてきたのでしょうか。
実はこのチケットは、大根が180円の時に既に価値があったのです。価値がなかったというのは勘違いだったということです。では、どうしてそういう勘違いをしてしまったのでしょうか。
それは、「大根の値段が未来永劫ずっと同じ」だと思い込んでいたからです。大根が永遠に180円で購入できるなら、250円で購入できるチケットも永遠に価値はありません。ところが、大根は時間を追うごとに値段が上下します。もしかしたら、100円になるかもしれませんし、300円になるかもしれません。将来いくらになっているかは、その時点ではだれにもわかりませんが、確実に言えるのは、値段は変わる可能性があるということです。値段が変動する可能性があるのなら、今より高い値段で購入するチケットにも価値があるということになるのです。
実際のオプションの値段について
さっきは八百屋さんの例で説明しましたが、実際の市場にあてはめてみましょう。この記事を書いている時点では既に本取引が終了しているので日経平均は算出されていませんので、近似値として、日経平均先物を例にとります。
現在、日経平均先物は32,590円前後です。では日経平均を34,500円で購入できる権利には値段がついているのでしょうか。今の日経平均から2,000円も上の値段です。
こちらが日経平均を34,500円で購入できる権利の気配値です。正確にいいますと、「2023年7月14日までに日経平均を34,500円で購入できる権利」ですが、62円程度の値段がついていて盛んに売買されています。つまり今の日経平均より2,000円も上の購入する権利にも値段があるということです。
まとめ
例えば時間が経過しても値段が全く変わらないとしたら、オプションは成立しません。値段が永遠に31,500円で変わらないとすれば、「33,500円で購入できる権利」なんて意味がありません。
逆に、将来値段が変動する可能性がある場合はオプションが成立します。現在の価格より高い価格で購入する権利にも価値があるのです。
具体的に値段がどのように決まるのかについては、別の記事で書こうと思います。